ueo6110r5's blog

iPhoneアプリをつくったり...

2種類の後悔

後悔には2種類あると思います。

ひとつは「あそこで、ああしておけば!」で、もうひとつは「あそこで、ああしてしまった!」という後悔。

別物に見えますが、これ、同じ行動をとっても成立する考え方です。

たとえば会議で思い切って率直な意見を出して空振りしたとき。
前者であれば「伝え方がたりなかった…!」、後者だと「あんなこと言わなければよかった…!」という後悔になります。

これって、前者のほうが前向きに見えると思います。半分まで飲んだワインをどうとらえるか?という似た話、半分になったワインを見て「まだ半分残ってる!」と思う人と「もう半分しかない!」と思う人。アフリカに靴のセールスマンが営業に行ったたとえもありますね。現地の人が誰も靴を履いてなくて「すごい! 全員に履いてもらえます!」と思った人と「ダメです! 誰も靴を履いてません!」と思った人。

「断捨離」という考え方が本となって話題になったほどに、おおくの人はそれまでの考えを大事にして、あきらめをつけにくい傾向があるのではないでしょうか。たしか心理学的にも、それまでの積み上げを否定したくないと心は動きやすいのだそうです。

それでゆくと先ほどの2つのたとえは、それまでに積み上げてきたことを振り返ってしまうような状況になったとき、積み上げを踏まえた考え方になりやすくなります。「もう半分しかない!」であり「ダメです! 誰も靴を履いてません!」に。
だからたとえ話は、そのような考えをしないで前向きにとらえようよ!と言い聞かせようとしているのだと思いますが、最近、前向きなのもたいがいかな…と思わないでもありません。
このとらえ方が前向きなのは、よく言えばであって、懲りない人、とも言えるんじゃないでしょうか。…わるく言えば。

それは省みない、という姿勢にも結びつくのかもしれません。

「伝え方がたりなかった…!」は「だから次はきちんと伝わるように言おう!」と変換できて、伝えようとしたこと=行動は肯定して方法に疑問符をつけます。
「あんなこと言わなければよかった…!」は「だから次はもっと見極めて言おう!」と変換できて、伝えようとしたこと=行動そのものに疑問符をつけることになります。

立ち返る深さが違ってくると思います。

「伝え方がたりなかった…!」の人はなんだかんだで同じ失敗を続けそうです。方法論をいじくりまわす以前に問題があったとしても、そこになかなか気がつけない。
対して「あんなこと言わなければよかった…!」の一見前向きでない人のほうは、気がつける余地があるのではないか。

そんなことを考えています。